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今春、交野高校を卒業された皆さん、そして入学された皆さんへ


校内で「挨拶」が飛び交う交野高校の校風を誇りに思います。

       交野高校同窓会(桜美会) 会長 松本克彦(1期)

私の尊敬するある会社経営者が次のように言った。「人材やノウハウはいくらでも新しいものを導入することができるが、会社の社風といったものは簡単には変えることができない。最も変えることが難しいのは社風だ」と。例えば最近問題なった例として不二家や雪印、三菱自動車などの会社が、自分のところの会社の不始末を隠ぺいしようとして大きな社会問題となった。その時に一番問題となったのは、その会社の社風である。人間に言い換えるならば人格や人柄とでもいうようなものであろう。

私は、仕事柄いろいろな高校を訪問する機会が多い。学校を名前だけで知ることと、実際にその学校を訪問して直に知ることとは全く違う。学校の持つ気配とか空気という、外形には顕れないそれぞれの学校が持つ雰囲気というものを直に知ることができる。その一つとして「校風」がある。

では、具体的に「校風」とは何だろうか。定義することはなかなか難しいが、その学校の持つ「風土」とでも言えばよいだろうか。校門をくぐると感じる「におい」のようなものだ。映画館に入ったときに感じる、あの独特の外界とは違う「空気」のようなものかもしれない。
学校を訪問して、まず感じる「風土」にその学校で交わされている「挨拶」がある。挨拶ができる学校とできない学校は、はっきりと分かれている。

学校を訪問するとそこにいる生徒、そして職員たちから挨拶を受ける。私のようなまったくの外部の者に対しても自然に挨拶をしてくれる学校がある。
「こんにちは」「おはようございます」「いらっしゃい」そういうような挨拶が飛び交う学校は、本当に訪問して気持ち良いものである。
ところが、まったく挨拶がない学校もあるのである。生徒はもちろん、職員も挨拶ができない。ひょっとすると、職員がしないから生徒もしないのかもしれない。職員も生徒も、我々のような見知らぬ外部の人間には、挨拶はもちろん、会釈すらせず黙って目の前を通り過ぎる。
学校の事務所を訪れる。事務所の小窓を開け、中の人たちに「こんにちは」と挨拶をする。ところが、学校によっては「こんにちは」と挨拶をしても返事がかえってこない。奥の事務長らしき人が、こちらをちらりと一瞥し、そして顎をしゃくって女性の職員に受付に行くように無言で指示する。
女性職員は、口いっぱいにお菓子をほおばりながら出てくる。
「何ですか」
油断をしているのか、外部からの訪問者に関心がないというのか。

そういった学校は、生徒も教師も何となく無愛想のように見えてしまう。それは学校にいる人たちのせいなのか、あるいはそういう伝統なのか。そういうような動作をだれもあたりまえにしてしまっている。きっとそれがその学校の「風土」、言い換えれば「校風」なのだ。

交野高校はどうかというと、実は、挨拶が大変よくできるすばらしい学校なのである。ひょっとすると大阪の学校の中では、トップクラスの学校ではないかとさえ思う。
たまに交野高校を訪れる。校門をくぐり中の生徒と目が合う。そのとき、すぐに明るく「こんにちは」という挨拶が返ってくる。
こういう学校を母校に持つ、晴れがましい気分になる瞬間である。

交野高校の入学式に招かれる。
緊張した顔の新入生たちが、廊下に並び、体育館への入場を待っている。彼らが新入生なのは、すぐに分かる。制服が真新しいこと、顔が少し幼いこともあるが、誰もまだ挨拶が出来ない。目と目があっても会釈も出来ない、「こんにちは」の言葉が出ない。
ところが、高2・高3生は全然違う。
自然に明るく元気な声が出る。交野高校の校風に馴染んでいる証拠だ。きっとこの新入生たちも2~3ヶ月もすれば、交野高校の「挨拶」をするという校風に染まっていくのだろう。
 挨拶は、難しいことではない。しかし、だからこそ難しく尊重されることなのかもしれない。

新入生の皆さん。にっこりほほえんで、大きな声で「こんにちは」「おはようございます」と言ってみよう。それを当たり前のこととして欲しい。交野高校を卒業したあとも、その習慣をぜひ忘れないで欲しい。なんといってもあなたたちは、「挨拶」の名門、交野高校に学んだ生徒なのだから。





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