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第11号(HTML)
第11号1ページ
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創立三十周年の挨拶
会長あいさつ
[創立三十周年の挨拶]
校長 藤森宣雄
桜美会会員の皆様方におかれましては、それぞれの分野、地域で第一線にあって益々活躍されていることと、お慶び申し上げます。
母校交野高校は本年創立三十周年を迎え、十月三十一日には、記念式典、記念の祝賀会を行いました。
記念式典の御出席は少なかったものの、祝賀会には七十名を越える会員の方を含めて、多くの方々に、三十周年を祝っていただきました。
記念誌にも書きましたとおり、三十年とは歴史は古りぬとはいえないまでも、大きく重みをもった歳月であり、この間に、今の交野高校の校風といえる、落ちついた、活力を潜めもって、伸びやかに勉学する生徒のあり様が築かれてきました。
記念式典での式辞には、学校は、生徒、教職員、旧教職員、卒業生の総体と言える、と申しましたが、歴代校長をはじめ旧教職員の方々、卒業生のみなさんが努力の末に築かれてきたものだ、と思っております。このことには敬意と感謝を表する次第です。
式辞では生徒に、この式典はみなさんのために行っていると言ってよい。知事から文面でいただいたお祝いの言葉の中にある「佳節の機」という言葉も用いて、この機を大切に心に止め、先輩の足跡にも思いを馳せて、交野高校生として自負と誇りをもつようにと激励したところです。
祝賀会の折には、これも式辞を引用し、会員の皆様に、先輩が輝けば、現役の後輩が輝き、後輩が輝けば、先輩が輝く、意のあるところをお汲み取りいただき、御活躍の程を祈りますという旨、申し述べました。
交野高校は、歴史、伝統を確立して行く途上にあると考えております。これまで培われた交野のよさを継承する心構えを持ちながら、BaSICシステムと名づけた新しい教育課程と四十五分七限授業を本年度より開始し、新しい歩みの第一歩を記し始めております。
継承と新しき歩みの両方を調和を保って進めて行き、これからの四十年、五十年に向けて継承の上に立った意味ある歴史を形成して行かなければならない、と考えております。
そのためにも、これまでと変わらぬ母校への愛情と御支援、御協力の程をよろしくお願いいたします。
かなりの歳月を重ねてきて、桜美会会員の皆様も、年齢的にも社会を背負って立つ立場に置かれることが多くなる方も出てきておられると思います。将来への展望のしにくい社会状況ではありますが、それぞれに置かれた立場、状況の中で、会員の皆様が御健勝にて益々御活躍いただきますよう、御期待申し上げ、また、願っております。
[会長あいさつ]
桜美会会長 一期生
松本克彦
先日、丸谷馨という民間教育の現場で活躍している講師の書いた新書を、興味深く読む機会があった。その、本に次のような記述があった。私なりに概略すると、次のとおりである。
「ユダヤ人は、歴史上数多くの傑出偉人たちを輩出してきたことで知られている。ユダヤ人は、最も優秀な民族とも言われている。
ところが、DNA的に純粋なユダヤ人は存在しないのである。碧眼紅毛のユダヤ人もいれば、ほとんど、アジア人やアフリカ人と区別がつかないユダヤ人もいる。つまり、もしユダヤ人が優秀だとするならば、それは人種的な遺伝ではなく、遺伝以外の理由、つまり、生まれた後で獲得した「獲得形質」であると考えられる。
ユダヤ人とは何かと言う定義は、生理学的あるいは人種的には存在しない。かの悪名高きナチスのユダヤ人迫害政策においても、ユダヤ人の定義は、「ユダヤ教を信じている」者が血縁的に近いところに存在するかどうかという定義であった。
ならば、彼らの優秀さの根拠は、ユダヤ教の中にあるのではなかろうか。
そういう想像は根拠のないことではなかろう。彼らが信仰するユダヤ教は、宗教であると同時に生活規範でもある。子どもの頃から聖書(旧約)・タルムード(律法)の学習、記憶が日常生活の一部としてあり、十三歳の時に受ける成人式ではラビ(坊さん)の前で膨大な量のタルムードを暗唱しなければならない。大人になる頃には聖書を隅々まで暗記している人も珍しくない。こうして成長期に負担をかけることで暗記する術を身につけ、脳に巨大な記憶スペースができる。そのようなトレーニングを要求する宗教であるがゆえに、それを信じるユダヤ人は優秀だというのである。」
そのユダヤ人の生活規範からの類推として、筆者の理論は次のように展開する。つまり、善悪はともかく、日本の受験体験はある種の優秀な獲得形質を生むのではないだろうか、あるいは生んできたのではないだろうか、というわけである。
さて、私は勝手に高等学校をその性格から大きく2つに分けて分類している。ひとつを「投機型」の高校と名づけ、他方を「消費型」の高校と名づけた。私の勝手な定義であるが、それぞれをあえて説明すると、「投機型」とは、今の努力を将来のためにしているのだという意識で成り立っている高校を言う。多くのスパルタ型の進学校などがこれにあたるし、いわゆる専門学校にこの性格を持つところは多いようにかんじる。これに対して「消費型」とは、今の高校生活自体を楽しむところに力点がある高校をいう。いわゆる、学園ドラマに出てきそうな高校であり、そこでは各種学校行事が盛大かつ真剣に行われていり、楽しい学園生活を送ることができる。
すべての高校は、その特徴・校風などから、濃淡の差がありながらもいずれかに分類できるというのが私の数年前からの持論である。
私は、結論から言うと、高校はこのいずれかの1つの特徴を色濃く有していれば、それで十分に魅力ある学園であると思っている。さらに付け加えるとその二つの性格を同時に有している学園が最も魅力ある学園だと独断で感じている。だから逆に言うと、いずれの性格もあいまいで、「投機的」でもなく「消費的」でもない高校が最もあいまいで魅力に薄い高校ではないだろうかとも、ぼんやりと感じている。
私は、交野高校を見るとき、その外からの評判と卒業生や在校生たちからの印象を聞くにつけても、交野高校は大変に「消費型」に傾いた高校であるように感ずる。先生方と生徒との人間味あふれる交流、盛大に行われる各種学校行事、すばらしく感動と躍動感にあふれる学園生活が高校を舞台として行われてきたであろう事は、毎年の涙なみだで行われる卒業式に臨席してみれば想像するに難くはない。
このように考えてみれば、今後、交野高校の今後の更なる発展を願うときに、その方向性は言わずもがなと思われる。良い意味での「消費的」な校風をさらに発展的に維持しつつ、今、一人一人の将来に向けて、なすべき学びと忍耐を身につける場としての今以上の本格的な取り組みである。いわば「投機的」な性格面の充実である。
交野高校は、昨年、大阪府を代表する「学力向上フロンティアスクール」に任命され、新たな使命とその可能性の拡大に向けた、名誉ある高校の地位を占めるようになった。私は母校の発展とさらなる躍進を、以上に述べたような観点から期待したいと思っている。
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